エアコン冷媒配管の接続とエアパージの変遷

設備工事の今昔 第3回|ろう付け、メカニカル継手、窒素と真空引き

天井裏で難儀した、銅管のろう付け

以前、業務用エアコンの冷媒配管工事で、天井裏でのろう付けが必要になったことがありました。狭い場所で銅管の周囲を均一に加熱するのは、なかなか難儀な作業です。

そこで役に立ったのが、銅管を包み込むように炎が出るリングバーナーでした。普通のバーナーを回しにくい場所でも、管の周囲を加熱しやすい工具です。

ただし、天井裏の火気作業は周囲の可燃物への着火などの危険があり、養生や防火管理が欠かせません。

工事を通じて知った窒素の必要性

正直に言えば、昔は冷媒配管に窒素を使う必要があること自体、十分には知りませんでした。業務用エアコンのろう付け工事を経験する中で、その意味を知ることになりました。

ろう付け時には、管内に酸素が残っていると加熱によって酸化スケールが生じることがあります。そこで乾燥窒素を適切に流して酸化を抑えます。

一方、窒素ブローは切粉やほこりなどの異物を吹き出すための作業です。窒素による気密試験も別の役割があります。窒素ブローだけで付着水分や油分まで完全に除去できるわけではありません。

火を使わないメカニカル継手へ

今では、冷媒銅管用のナット締付式メカニカル継手も使うようになりました。弊社で使ったのは、イチネンTASCOが扱うワンタッチ継手だったと思います。

火を使わずに接続できるのは大きな利点です。ただし、4分程度までは比較的軽い力で締められても、5分以上になると締付けに相当な力が必要だと感じます。

そこで重要なのが、製品ごとの指定施工方法や締付条件を守ること。力任せに締め込めばよいわけではなく、工具の適合や締付管理が必要です。

弊社では、冷媒配管だけでなく高圧進相コンデンサの端子ナットなど、電気設備の締付管理への活用も考え、デジタルトルクレンチを購入しました。用途ごとに指定トルクと工具の適合を確認することが前提です。

冷媒ガスによるエアパージから真空引きへ

かつては、室外機に封入された冷媒を使って配管内の空気を押し出す、いわゆるガスパージが行われていた時代もありました。

しかし、冷媒の大気放出という環境上の問題があり、配管内の空気や水分を十分に除去できないおそれもあります。現在はメーカーの施工要領に従い、真空ポンプによる真空引き・真空乾燥を行うのが基本です。

窒素ブローによる異物除去、ろう付け時の窒素置換、気密試験、真空乾燥はそれぞれ目的が違います。どれか一つですべてを代用できるものではありません。

変わる工法、変わらない責任

苦労して覚えたろう付けも、現場によってはメカニカル継手を選べるようになりました。しかし、ろう付けが不要になったわけではありません。機器の指定や施工条件によって使い分ける必要があります。

昔の技術を知り、今の工法を理解し、その現場に合った安全で確実な方法を選ぶ。 それが設備職人の腕であり、次の世代へ伝えていきたいことだと思います。

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