一般コラム #01

斜めの道路、
ウインカーは右?左?

― 長年疑問だったウインカーの話を、道路交通法から考えてみました ―

ずいぶん昔から、 車を運転していて疑問に思っていたことがあります。

斜めに道路へ入るとき、
ウインカーは右なのか、左なのか。

普通のT字路なら、それほど迷いません。

左折なら左ウインカー。
右折なら右ウインカー。

ところが道路が直角ではなく、 45度くらいの鋭角で交わっていたり、 逆に大きな鈍角でつながっていたりすると、 急に分かりにくくなります。

高速道路では、なぜ右ウインカーなのか

特に私が引っ掛かっていたのが、 高速道路の合流です。

高速道路の加速車線から本線へ入るとき、 本線が右側にあれば右ウインカーを出します。

では、それとよく似た角度で 一般道路に接続している道路ではどうなのか。

今回、道路交通法まで確認しながら考えてみると、 どうやら

「道路が何度で交わっているか」

で考えていたこと自体が、 混乱の原因だったようです。

「曲がる」のか、「進路を変える」のか

道路交通法第53条では、 車の運転者が左折、右折、転回、 または同一方向に進みながら進路を変える場合などには、 合図をすることが定められています。

道路交通法 第53条

左折・右折・転回・進路変更などを行う場合には、 方向指示器などによる合図を行い、 その行為が終わるまで継続することが定められています。

つまり、高速道路の合流で右ウインカーを出すのは、

「道路が右へ曲がっているから」

ではありません。

加速車線を本線と同じ方向へ走りながら、 そこから右側の本線車線へ 進路変更するから右ウインカー なのです。

一方、一般道路の斜めの交差点で 別の道路へ左折するのであれば、 見た目が高速道路の合流に似ていても左折です。

したがって、左ウインカー。

私なりに整理すると

交差点で左折

道路が斜めでも
左ウインカー

交差点で右折

道路が斜めでも
右ウインカー

本線へ進路変更

右側の車線へ移るなら
右ウインカー

では、コンビニから斜めに出る場合は?

もう一つ、 私が長年疑問だったのがこれです。

コンビニや店舗の駐車場から、 斜めに道路へ出る場合です。

駐車場の出口は、 通常の道路同士の交差点とは違います。

ところが道路交通法を確認してみると、 興味深い表現があります。

道路交通法 第25条の2

道路外の施設や場所に出入りする場合についても、 法律では「左折若しくは右折」という言葉が使われています。

また、歩行者や他の車両等の正常な交通を 妨害するおそれがある場合には、 その左折・右折などをしてはならないとされています。

これは私にとって、 かなり腑に落ちるところでした。

道路外の駐車場から道路へ出る場合も、
左へ出るなら左。
右へ出るなら右。

出口が直角なのか、 45度なのか、 もっと鋭角なのか鈍角なのかということで、 合図の意味そのものを変えるものではない、 と考えるのが自然です。

でも、そのウインカーは相手から見えるのか?

ここで、 私にはもう一つ疑問が出てきました。

例えば斜めの駐車場出口から右折しようとしたとき、 車体の角度によっては、 右側のウインカーが道路を走ってくる相手から 見えにくい場合があります。

そうすると、

「相手から見える側のウインカーを 出した方が安全なのではないか?」

という疑問が出てきます。

しかし、 ここまで考えてみると、 これは違うと思いました。

右へ行くのに、 「こちらの方が見えやすいから」と 左ウインカーを出せば、 それを見た別の人には

「この車は左へ行く」

という、間違った情報を与える可能性があります。

ウインカーは、 相手から見えやすい側を その都度選んで点けるものではありません。

皆が同じ意味で使うからこそ、 交通上の共通の意思表示になるのだと思います。

ただ、それより先に大切なこと

今回このことを考えていて、 ウインカーよりもっと大切なことがあると 改めて感じました。

道路交通法第25条の2では、 道路外の施設や場所へ出入りするとき、 歩行者や他の車両等の正常な交通を 妨害するおそれがある場合には、 その行為をしてはならないとされています。

また、駐車場などから道路へ出る際に 歩道を横切る場合には、 道路交通法第17条により、 歩道等へ入る直前で一時停止し、 歩行者の通行を妨げないことが定められています。

ウインカーを正しく出したから、
出てもいい。

ではありません。

ウインカーは、あくまで意思表示です。

その前に、 安全を確認すること。

歩行者がいれば待つこと。

道路を走っている車の正常な通行を 妨げないこと。

そして法律以前の話として、

無理をせず、
お互いに譲り合うこと。

私はこれが一番大切なのではないかと思います。

自分なりの結論

道路の角度だけでウインカーを決めない

左折なら左、右折なら右

同じ方向へ走りながら右側車線へ移るなら右

見えにくいからといって反対側の合図を出さない

合図より先に、安全確認と譲り合い

長年の癖も、少しずつ

私自身、 斜めの道路では長年の癖で、 今までの感覚のまま 逆のウインカーを出してしまうことが あるかもしれません。

長い間身についた癖なので、 すぐには直らないかもしれません。

それでも、 これから意識して少しずつ 直していこうと思います。

ずいぶん昔から疑問に思っていたことでしたが、 道路交通法まで確認してみると、

「道路が斜めだから、どっち?」

ではなく、

「自分はいま、左折・右折をするのか。
それとも進路変更をするのか。」

と考えればよかったのだと、 ようやく腑に落ちました。

何十年車を運転していても、 改めて考えてみると 知らないことはあるものですね。

今回確認した主な法令

  • 道路交通法 第17条 「通行区分」
  • 道路交通法 第25条の2 「横断等の禁止」
  • 道路交通法 第53条 「合図」

※道路形状や標識・標示、 個々の交通状況などによって 判断が異なる場合があります。 このコラムは、日頃の運転で感じていた疑問について、 道路交通法を確認しながら 私なりに整理したものです。

法令の最新内容については、 e-Gov法令検索等でご確認ください。

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