水も電気も油断大敵! 設備屋が経験した失敗と教訓

水も電気も油断大敵! 設備屋が経験した失敗と教訓

白い粉の付いた古い給水管には要注意

古い住宅で、床や壁から出ている亜鉛めっき鋼管のねじ接合部に、白い粉のようなものが付いていることがあります。緑色の付着物が一緒に見られることもあります。私はこういう配管を見ると、まず警戒します。

白い付着物は亜鉛の腐食生成物や微量な漏水が乾いて残した析出物、緑色のものは真鍮など銅系材料の腐食生成物である可能性があります。色だけで原因は断定できませんが、古いねじ接合部の状態を疑う手掛かりにはなります。

ねじを切った部分はもともと管の肉厚が薄く、長年の腐食が重なると、パイプレンチで回しただけでポロッと折れてしまうことがあります。私の経験では、こうした古い15Aの管を扱う際、10か所に1か所程度で折れ込みに遭遇することもありました。井戸水を使う住宅で経験することも多いのですが、腐食は水質や配管の状態によって変わります。

わずか10秒で、床が水浸しに

忘れられない失敗があります。床下から立ち上がった古い給水管を扱っていたとき、床とほぼ面一のところで管が折れました。しかも通水中。たちまち水が噴き出し、急いで元栓を閉めに走りましたが、わずか10秒ほどで床や周囲が水浸しになってしまったのです。

あれは本当に参りました。それ以来、壁や床から出ている古いめっき鋼管は、まず状態を確かめ、多少面倒でも必ず止水してから作業するようになりました。止水していても折れることはあります。しかし、水が噴き出すかどうかで被害は大きく違います。

折れた雄ねじが、雌ねじの中に残る

厄介なのは、折れた管の雄ねじが継手の雌ねじに中途半端に残ること。床面で折れてしまえば、外側からつかむところもありません。

私は、管の内側にきつめに掛かる六角レンチなどの金物を使い、角を引っ掛けて緩む方向へ少しずつ力を掛けることがあります。最初のひと回しが難しいのですが、一度回り始めれば、その後は比較的早く抜けます。これまで遭遇した折れ込みは、この方法ですべて取り除くことができました。

相手側の雌ねじは真鍮製であることが多く、私の経験では雌ねじを傷めたことはありません。ただし、真鍮でも腐食や亀裂が起こらないわけではありません。状態を見極め、無理な力を掛けないことが大切です。

最近、こうした折れた管を内側から回して抜く「パイプエキストラクター」という専用工具があることも知りました。現場では「パイエキ」と呼びたくなりますね。まだ試してはいませんが、15Aの管に適合するものを調べてみたいと思っています。

電気工事でも、工具を駄目にした経験が

さて、水道の話ばかりではありません。電気工事でも、思い出したくない失敗があります。通電中のVVFケーブルの異なる極を、ペンチで同時に切ってしまうことです。

「バチン!」という音と火花。そして刃先には、短絡による傷。はい、ペンチを新調しましょう……ということになります。

私自身、これをおそらく2回ほど経験しています。電源が切れていると思い込んでいた、私自身の確認不足による失敗です。今だからこうして書けますが、短絡時のアークはやけどや感電などの重大事故につながり得ます。

「ブレーカーを上げておこう♪」の怖さ

もう一つは、同業者から聞いた話です。その方は工事のために停電させ、お客さんにも周知していたそうです。ところが、お客さんが電気の来ていないことに気づき、ブレーカーを上げてしまった。

作業中だったのは、ペンチではなくケーブルストリッパー。通電によって短絡が起き、刃の部分が見事に半円形にえぐれてしまったそうです。幸い、けがはなかったと聞いています。

お客さんに悪気があったとは思いません。むしろ、電気が来ていないから戻そうと思ったのかもしれません。しかし、ここで考えさせられるのは、「伝えた」ことと「危険が伝わった」ことは違う、という点です。

もっとも、説明だけに頼ってはいけません。作業者以外がブレーカーを再投入できないよう、施錠や表示などの誤投入防止措置を取り、作業箇所で無電圧を確認することが重要です。

三相200VのVVFをナイフで裂いていたとき

私自身、もう10年以上前に、軽いやけどを負ったこともあります。通電中の三相200VのVVF3芯ケーブルをナイフで裂いていたところ、黒相と赤相が刃を介して短絡してしまったのです。

手に少しやけどを負いましたが、やけど以上に驚いた記憶があります。ナイフの刃も大きくえぐれました。今はそのナイフも残っていませんが、あの瞬間は忘れられません。

なお、「三相だから単相の何倍の威力」と単純には言えません。線間電圧だけでなく、電源の短絡容量、回路のインピーダンス、アークの状態、遮断までの時間などによって危険性は変わります。いずれにせよ、通電中のケーブルを不用意に切ったり裂いたりすることは極めて危険です。

水も電気も、「止めたつもり」が一番怖い

給水管では、止水しないまま折れてしまい、床を水浸しにしました。電気工事では、停電していると思い込んで工具を傷め、やけども経験しました。同業者の話からは、第三者が電源を入れてしまう危険も教わりました。

水道なら止水と残圧の確認。電気なら電源の遮断、誤投入の防止、検電による無電圧確認。どちらも、目に見えない危険を相手にする仕事です。

失敗は決して自慢できるものではありません。それでも、苦い経験を次の現場に生かし、同じ失敗を繰り返さないことには意味があると思っています。

「止めたつもり」「切ったつもり」で作業しない。安全を確認してから手を動かす。 これからも、そして次の世代にも、伝えていきたい設備屋の心得です。

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