設備屋コラム #03
最近、「物価高」「材料費の高騰」という言葉を耳にすることが本当に増えました。
私たち設備工事店が日々使用している材料も例外ではありません。
では、実際のところ、どのくらい上がっているのでしょうか。
今回、当社に残っている2025年と2026年の実際の仕入データを見比べてみました。
驚いたのは、VVFケーブルの価格です
住宅の電気工事で非常によく使用する「VVF 2.0mm×2C」という電線があります。コンセントや照明などの配線に使われる、ごく一般的な電線です。
当社の仕入価格を確認すると、100m巻で、
2025年1月 14,200円
2026年1月 16,400円
2026年9月現在 24,600円
2025年1月から2026年1月までの1年間でも約15.5%の上昇ですが、2025年1月の14,200円と現在の24,600円を比較すると、わずか1年8か月ほどで10,400円、率にして約73%の上昇です。
普段から「電線が高くなった」と感じてはいましたが、改めて数字で確認すると、さすがにこの上がり方には驚きました。
なぜ電線がこれほど高くなったのでしょうか
VVFケーブルの導体には銅が使われています。
近年は、送配電設備、再生可能エネルギー設備、電気自動車、そしてデータセンターなど、世界的に電気を大量に扱う設備が増えています。こうした設備には多くの銅が必要です。
一方で、銅鉱山からの供給には限りがあり、為替、エネルギー価格、物流費、人件費など、さまざまな要因も製品価格に影響します。
VVFの急激な価格上昇も、一つの理由だけではなく、こうした要因が重なった結果と考えられます。
「テープ」のような消耗品も上がっています
もう一つ、当社の仕入データで比較できたのがビニールテープです。
電気工事や設備工事では日常的に使用する、ごく普通の消耗品です。
2025年 4,900円
2026年 5,800円
こちらも約18.4%の値上がりです。
一つ一つは小さな材料でも、年間を通して多く使用する工事店にとっては、少しずつ積み重なって大きな負担になります。
では、何もかも値上がりしているのでしょうか?
今回データを調べてみて、少し面白いことも分かりました。
エアコン工事で使用する「ペアチューブ(冷媒配管)」です。
こちらも銅を多く使用する材料なので、大幅に値上がりしているだろうと思われるかもしれません。
ところが、当社の実際の仕入価格はむしろ下がっていました。
理由は、取引している問屋さんが2025年と2026年で取扱メーカーを変更していたためです。
「銅が高くなったから、銅を使う製品がすべて同じように高くなる」わけではないということも、今回の比較で改めて分かりました。
メーカー、仕入先、流通経路などによって、実際に私たち工事店が購入する価格には違いが出ます。
少しでも適正な価格で工事するために
材料価格が上がれば、どうしても工事価格にも影響します。
しかし、だからといって「材料が上がったから、そのまま工事代を上げればいい」と私たちは考えているわけではありません。
同じ用途で使える材料でもメーカーによって価格が違うことがありますし、仕入先によって条件が変わることもあります。
今回のペアチューブのように、仕入れる商品が変わることで価格を抑えられる場合もあります。
品質や安全性を落とさないことを大前提として、できるだけ良い条件で材料を仕入れることも、私たち工事店の仕事の一つだと思っています。
実際の仕入データを見て思ったこと
「最近、材料が高くなった」
私たちも普段からそう感じていました。
しかし今回、改めて過去の仕入価格を数字で確認してみると、材料によって値動きにはかなり大きな違いがあることが分かりました。
特にVVFケーブルの、
14,200円 → 16,400円 → 24,600円
という変化は、現在の材料価格を象徴するような数字だと思います。
設備工事や電気工事の見積金額が、数年前と比べて高くなっている背景には、このような材料価格の変化もあります。
これからも当社では、単に「材料が高くなった」で済ませるのではなく、仕入価格や商品の選択にも目を向けながら、地域の皆さまにできるだけ適正な価格で工事をご提供できるよう努めてまいります。